自治体先進事例~地熱発電~

自治体先進事例~地熱発電~

地熱発電とは、地中深くから取り出した蒸気を用いて発電するものです。一般的には、地下700メートルから3,000メートルの「蒸気井」(地下深部の地熱貯留層から熱水と蒸気を取り出すための井戸のことです。)を掘削して、マグマの熱で熱くなった地下水を汲み上げて蒸気を取り出して、その蒸気でタービンを回して発電をしているものです。

火山の多いわが国では、地熱発電の潜在的な発電可能量は莫大なものといわれています。しかし、地熱発電所の設置に向いているとされる候補地の多くは、国立公園や温泉観光地の近くにあり、発電所設置による環境や温泉、観光産業への影響が懸念されたことや、他の発電方法に比べ、制度上の補助・支援が充実していないため、その潜在的発電能力に比して、開発に消極的な状況が続いていました。
結果として、新規の地熱発電所の開発が困難となり、現在においても地熱発電所は多いとはいえない状況にあります。

しかし、近時、東日本大震災に起因する再生可能エネルギーへの期待感の増大に伴い、地熱発電についても注目が集まり、自治体が地熱発電の調査、研究に乗り出す例が増加しています。

<参考>
100世帯1年分、県が後押し 温泉で地熱発電試験 新潟
http://sankei.jp.msn.com/region/news/111220/ngt11122002200001-n1.htm
温泉バイナリー地熱発電:実証試験を開始 開所式で知事ら期待--十日町 /新潟
http://mainichi.jp/area/niigata/news/20111217ddlk15040125000c.html
地熱エネルギーに関するシンポジウム in 福島 12月17日開催
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&word=&category=&serial=26249
地熱発電:湯村で検討、県が新温泉町で調査へ 来年度予算案に経費も /兵庫
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20111208ddlk28010341000c.html

【八丁原発電所】

九州は地熱発電所が集中している地域ですが、大分県九重町の八丁原発電所は、1・2号機があり、それぞれの出力は5万5千キロワットで、合計11万キロワットの電気を発電することができます。
地熱発電所としては、国内最大の認可出力で、年間の発電電力量は、約8億7千万キロワット時と言われています。ちなみに、蒸気の使用量は、毎時890トンと言われています。

八丁原発電所には、展示館が併設され、風光明媚な阿蘇くじゅう国立公園、九重連山と合わせ、地元の観光スポットとしても活用されています。

総出力:110,000kW
・1号機/定格出力:55,000kW
(営業運転開始:1977年6月)
・2号機/定格出力:55,000kW
(営業運転開始:1990年6月)

バイナリー発電方式
八丁原発電所では、沸点の低い媒体を熱交換機で加熱、蒸発させ、その媒体蒸気により発電させるバイナリー方式による発電施設が設置され、従来の地熱発電方式では利用できなかった低温度域の蒸気・熱水での発電が可能となります。
既に海外には、多くの実績がありますが、八丁原発電所では、ペンタン(沸点36度)を利用したバイナリー発電方式の実証試験の試みが予定されています。

<参考>
九州電力/八丁原・大岳発電所
http://www.kyuden.co.jp/effort_geothermal_t_hattyoubaru.html

◎その他の地熱発電所など

地熱発電所は、原子力発電所などと違い、比較的、構造が簡素な施設でも発電可能な事から、メンテナンスが簡便であり、設置後は運用上のメリットがあるといわれています。
また、深い掘削をはじめ、技術的、経済的な課題はあるものの、簡素な施設で発電できる特性を活かし、温泉ホテルのような民間企業による自家用発電システムとしても利用されています。
今後、再生可能エネルギー買取法の施行により、売電目的での新たな開発・設置も見込まれる事から、政府・自治体の支援によって、民間への導入が進むと考えられています。

<参考>
経済産業省 資源エネルギー庁 / 地熱発電所既設一覧(PDF)
http://www.enecho.meti.go.jp/energy/ground/data/080826.pdf

【事業用】

  • 森発電所/北海道 (北海道電力(株)) 50,000kW
  • 澄川発電所/秋田県 (東北電力(株)・三菱マテリアル(株)) 50,000kW
  • 松川発電所/岩手県 (東北水力地熱(株)) 23,500kW
  • 葛根田/岩手県 (東北電力(株)・東北水力地熱(株)) (1号)50,000kW (2号)30,000kW
  • 上の岱(うえのたい)発電所/秋田県(東北電力(株)・東北水力地熱(株)) 28,800kW
  • 鬼首発電所/宮城県 (電源開発(株) ) 12,500kW
  • 柳津西山発電所/福島県 (東北電力(株)・奥会津地熱(株))65,000kW
  • 八丈島発電所/東京都 (東京電力(株)) 3,300kW
  • 大岳発電所/大分県 (九州電力(株)) 12,500kW
  • 八丁原大分県 (九州電力(株) (1号) 55,000kW (2号)55,000kW (バイナリー)2,000kW
  • 滝上発電所/大分県 (九州電力(株)・出光大分地熱(株)) 25,000kW
  • 大霧発電所/鹿児島県 (九州電力(株)・日鉄鹿児島地熱(株)) 30,000kW
  • 山川発電所/鹿児島県 (九州電力(株)) 30,000kW

【自家用】

  • 大沼発電所/秋田県 (三菱マテリアル(株)) 9,500kW
  • 杉乃井発電所/大分県 ((株)杉乃井ホテル) 1,900kW
  • 岳の湯発電所/熊本県 (廣瀬商事(株)) 50kW
  • 九重発電所/大分県 ((合)九重観光ホテル) 990kW
  • 霧島国際ホテル発電所/鹿児島 (県大和紡観光(株)) 220kW

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