自治体先進事例~太陽光発電~

自治体先進事例~太陽光発電~

従来、行政、自治体と太陽光発電の関わりは、補助金の交付などにより、個別の住宅、ビルなどに設置するソーラーパネルによる太陽光発電の普及サポートとしての役割が大きいものでした。
しかし、近年では、既存型のエネルギーに頼らない、再生可能エネルギーの本格導入を視野に入れ、より積極的に、自治体主導型の大規模太陽光発電所(メガソーラー発電所)の設置を行っています。

◎自治体主導による大規模太陽光発電所(メガソーラー)

【稚内メガソーラー発電所】
発電所出力:5,020kw
敷地面積:約14ha
パネル枚数:28,500枚

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究」の実証研究施設として設備されたもので、2006年から研究が進められ、2011年3月で研究終了。以降は、稚内市がNEDOから施設の無償譲渡を受けて維持管理を行い、経済産業省から認定を受けた「稚内次世代エネルギーパーク構想」の中心施設として活用していくことになりました。

積雪・寒冷・強風と気象条件が厳しく、日照量が少ない中で大規模太陽光発電システムを有効に機能させるため、下記のような仕組みが取り入れられ、開発、評価が進められました。

・発電モジュール(パネルの種類)=単結晶シリコン型/多結晶シリコン型/アモルファスシリコン型/化合物系/複層薄膜型
・パネル設置架台の傾斜角(最も効率的な太陽光の角度のほか、地面からの乱反射、積雪対策なども考慮)
・蓄電池(NAS電池)設備、高出力PCS(=パワーコンディショナー)

<出典>
NEDOホームページ(PDF)
http://www.nedo.go.jp/content/100162609.pdf
稚内市ホームページ
http://www.city.wakkanai.hokkaido.jp/section.main/tiiki.sinkou/w_megasolar_power_station.htm

【北杜サイト太陽光発電所】
発電所出力:1,840kw
敷地面積:約10ha

稚内メガソーラー発電所同様、NEDOの「大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究」の施設として、北杜市およびNTTファシリティーズが委託を受け設備されたものです。
2006~2011年の実証期間を経て、2011年4月より北杜市に譲渡されました。
北杜市は稚内市と対照的に、日照時間が日本で最も長く、内陸性気候で降雨量が少ない、夏が冷涼といった特徴があります。その恵まれた気象条件のもと、下記のような開発、評価が進められました。

・27種類の発電モジュール
・国内最大級のPCS(400kW)
・環境性に優れた先進的架台

<出典>
NEDOホームページ
http://www.nedo.go.jp/content/100162609.pdf
北杜市ホームページ
http://www.city.hokuto.yamanashi.jp/komoku/shisei/ondanka/1305816924-38.html

【新潟東部太陽光発電所】
発電所出力:1,000kw
年間発電電力量:992,093kWh
敷地面積:約3.2ha
パネル枚数:4,822枚

電気事業として自治体が自ら設置した全国初のメガソーラー(阿賀野市)です。
2010年8月、公募により請負業者を決定、年度内に設計・機器製作を完了し、2011年10月に運転開始。2012年、さらに1MWの増設を計画しています。

部卯が他東部太陽光発電所の特徴としては、下記のような点が挙げられます。

・夏季と冬季で設置角度を変更できる可変式架台
・太陽を自動追尾する設備の併設
・積雪、落雪を考慮した架台  など

東北電力配電線に連系、建設工事費は4億3,050万円(連系費用・土地費用を除く)

<出典>
新潟県ホームページ
http://www.pref.niigata.lg.jp/kigyosomu/1311022827576.html

◎そのほかの自治体主導によるメガソーラー

【新潟雪国型メガソーラー】(新潟市)
新潟県の事業者公募に対し、昭和シェル石油が共同事業提案。2010年11月より稼働。出力1,000kW、年間発電電力量約100万kWh。敷地面積3.5万m2、パネル枚数12,258枚。CIS太陽電池採用。

<参考>
http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/484/146/pannfu,0.pdf

【あわじメガソーラー1】(兵庫県淡路市)
兵庫県と淡路市が整備を進めてきた施設で、市役所庁舎北側に設置。市役所のほか防災センター、浄化センターに電力を供給し、余剰電力は関西電力に売却2010年10月より運転開始。出力1,000kW、年間発電電力量約110万kWh。パネル枚数5,022枚、総事業費約4億6千万円、財源は県が地域グリーンニューディール基金事業として淡路市に交付。

<参考>
http://web.pref.hyogo.jp/press/documents/000167660.pdf、http://www.city.awaji.hyogo.jp/sec/kanzai/mega%20solar.html

【その他】

「おおたメガソーラー」(群馬県太田市/出力1,500kW以上/2012年4月運転開始予定)のほか、浄水場内に設置する例が見られます(埼玉県・行田浄水場〔予定〕、岡山県・西之浦浄水場、奈良県・御所浄水場など多数)。

◎電力会社・民間企業との連携による太陽光発電について

上記のような、自治体主導型のメガソーラーの他にも、電力会社・民間企業などによる太陽光発電システムは多数あります。
2011年末現在で運転開始した施設としては、川崎市・扇島太陽光発電所(東京電力/最大出力13,000kW、年間発電電力量約1,370万kWh)、堺市・堺太陽光発電所(関西電力/最大出力10,000kW、年間発電電力量約1,100万kWh)が最大級のものとなっています。

また、現在予定されている最大級は三井化学などによる共同事業「たはらソーラー・ウインド共同事業」(太陽光発電:最大出力5万kw+風力発電6000kw)などがあり、今後も、再生可能エネルギー買取法の施行を一つのきっかけとして、規模の大小を問わず、民間企業が設置する太陽光発電所はさらに増えていくものと思われます。

太陽光発電所、特にメガソーラーの設置に当たっては、設置を行う民間企業に対して、広大な土地の提供、補助金の交付、税制優遇など、さまざまな点で、自治体と民間企業との連携が必要となりますが、その際に、様々なタイプの先行事例が参考となります。

  • 東北公益文科大学太陽光発電システム/東北公益文科大学 (山形県)
  • のざわ特別支援学校における太陽光発電システム/栃木県立のざわ特別支援学校(栃木県)
  • 集中連系型太陽光発電システム/群馬県 太田市
  • 東急元住吉駅における光透過型太陽光発電設備の導入/東京急行電鉄株式会社 (神奈川県)
  • 劇団四季太陽光発電システム/四季株式会社 (神奈川県 横浜市)
  • 北杜サイトメガソーラー ~北杜市太陽エネルギープロジェクト~/山梨県 北杜市
  • 近江大橋太陽光発電システム/滋賀県道路公社 (滋賀県)
  • 兵庫県西播磨総合庁舎 太陽光発電システム/兵庫県
  • 松山サンシャインプロジェクト/愛媛県 松山市
  • 佐賀県太陽光発電トップランナー推進事業/佐賀県
  • 熊本県立菊池高等学校太陽光発電システム/熊本県
  • 特別養護老人ホーム『でいご園』エネルギー施設整備事業/社会福祉法人清明会 (沖縄県 宜野座村)

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