いわゆる「再エネ買取法」は救世主となるか?

いわゆる「再エネ買取法」は救世主となるか?

① 固定価格による買取制度

「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(いわゆる「再エネ買取法」)は、2011年3月に法案閣議決定され、その後国会の審議を経て2011年8月に成立しました。一部の規定を除き2011年7月1日をもって施行され、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が開始することになります。新制度の下では、太陽光、風力、中小水力(3万kW未満)、地熱、バイオマス(紙パルプ等の既存の用途に影響がないもの)の5種類のエネルギーについて、経済産業大臣の認定を受けた設備を用いて発電をする者からその発電量の全量を固定価格で買い取ることが電気事業者に義務付けられます。(従前「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」に基づき行われていた住宅用太陽光発電等(10kW未満)の余剰電力に関する買取も継続されます。)。

② 接続義務

成立した「再エネ買取法」では、電気事業者は、再生エネルギーによる電力を供給する者から送配電網と発電施設を接続することを求められたときは3つの例外を除き当該接続を拒んではならないと規定されています(第5条第1項)。

上記の「3つの例外」とは、

(1) 再生エネルギーによる電力を供給する者が、当該接続に必要な費用であって経済産業省令で定めるものを負担しないとき

(2) 電気事業者による電気の円滑な供給の確保に支障が生ずるおそれがあるとき

(3) (1)と(2)に掲げる場合のほか、経済産業省令で定める正当な理由があるとき

が挙げられています。

このうち、(1)の接続に必要な費用、(3)の正当な理由について定める経済産業省令は未成立であり、今後の動きに注目する必要があります。また、(2)の「電気事業者による電気の円滑な供給の確保に支障が生ずるおそれがあるとき」として、安定供給等の理由により再生可能エネルギーによる電力の接続が拒否され、既存の電力の接続が優先されるのではないかという懸念の声が上がっており、より強固な接続優先義務や接続が拒絶された場合の電気事業者の責任を明確化すべきであるとの意見があります。(「再エネ買取法」では、電気事業者が正当な理由なく接続を拒否した場合には、経済産業大臣が当該接続を行うべき旨の勧告を行うことができ、当該勧告に従わない場合は勧告に係る措置を命じることができる旨(第5条第3項、第4項)が定められています。)

③ 買取価格

買取価格については、再生可能エネルギーの種類、設置形態、規模に応じて、毎年買取価格と買取期間が決められます。具体的には、関係大臣(農水大臣、国交大臣、環境大臣、消費者担当大臣)に協議した上で、中立的な第三者委員会(委員は国会の同意を得た上で任命)の意見に基づき経済産業大臣が告示します。集中的な再生可能エネルギーの利用の拡大を図るため、施行後3年間は、買取価格を定めるに当たり、再生可能エネルギー電気の供給者の利潤に特に配慮することとしています。

再生可能エネルギーは各種類により設置コストとランニングコストに大きな違いがあることから、かかる特徴を踏まえた上で設備投資資金の回収が可能となる適切な価格に設定されるのかが注目されます。

<参考/調達価格等算定委員会の政府人事案について>

再生エネ法:委員会人事に議員ら異議 消極的な人が過半数(毎日新聞)

再生エネ審議する機関、委員の人事案差し替えを河野、阿部氏らが要求(カナロコ)

脱「脱原発」の加速~ 調達価格等算定委員会人事のワナ(東京新聞)

[再生エネ委員会]人事がこんな調子では(沖縄タイムス)

<「再生可能エネルギーを取り巻く法制度」カテゴリー>

【再エネ基礎知識 項目一覧】

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