どんな国が伸びている?

再生可能エネルギー どんな国が伸びている?

ア 再生可能エネルギー全体の動き

再生可能エネルギーへの投資額でいえば、2010年に最も大きな新規投資を行ったのは中国であり、489億米ドルの投資が実施されましたが、中南米、中央、アフリカ、インド、東南アジアなど、軒並み高い伸び率を示しています。

イ 発電種類ごとの状況

(ア)太陽光発電

太陽光発電は、2009年実績で、世界全体(IEA諸国)で約2,038 万kWが導入されました。

太陽光発電の導入量は、2004年までは日本が世界最大でしたが、最近では、ドイツとスペインでFIT(フィードイン・タリフ、固定価格買取制度)が導入されたこと等によって、これらの国での導入量が急速に拡大しています。

また、太陽光発電の導入拡大に伴い、太陽電池産業の発展にも大きな注目が集まっています。太陽電池生産において日本メーカーはこれまで世界市場で大きなシェアを占めてきましたが、近年では、中国や台湾といった新興国メーカーの躍進も目立ちます。

(イ)風力発電

風力発電設備の容量は、世界的に近年急速に増加しており、2010年には、1億9,439万kWに達しています。

2010年時点において、最も導入が進んでいるのは中国です。中国の風力発電設備容量は、世界の約22%を占めており、米国(約21%)を抜いて世界一となっています。

その他の国でも、各種の優遇措置が実施されたことをきっかけに、ドイツ(約14%)やスペイン(約11%)のように欧州でも設置が進み、インド(7%)も大きなシェアを占めるに至りました。

また、これまでは陸上での風力発電が主流でしたが、近年は洋上風力発電への期待が高まっています。

欧州では2010年中に合計88.3万kW(308機のタービンを設置)が域内の系統に連系されました。これは、前年比51%の拡大となります。

英国政府やデンマーク政府は、再生可能エネルギーの導入を今後さらに拡大するための重要な開発分野として洋上風力発電を位置付けており、このような政府姿勢を背景に、EUにおける洋上風力発電の設備能力294.6万kW(タービン1,136機)のうち、英国が約46%、デンマークが約29%を占めるに至りました。

(ウ)地熱

地熱発電は、2010年時点で、世界で1,071万kWが導入されました。

地熱発電の設備容量が最も大きいのは米国で、合計308.6万kW が設置されています。

次に高い設備容量を有するのがフィリピンで、国内の発電設備総量の約12%を占めています。

インドネシアやニュージーランド、アイスランドでは、2005 年以降、設備容量が大幅に増加しています。

アイスランドやグアテマラでは、国内の発電設備に占める地熱発電の割合が2割以上となっています。

日本では約50万kW が設置されていますが、過去5年間の設備容量はほとんど変化していません。

欧州では地熱を利用できる地域は少ないものの、イタリアやポルトガルの一部で地熱発電が実施されています。

・参考

UNEP, Global Investments in Green Energy Up Nearly a Third to US$211 billion(プレスリリース)

http://unep.org/newscentre/Default.aspx?DocumentID=2647&ArticleID=8805&l=en

「エネルギー白書2011」(経済産業省資源エネルギー庁)

http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2011/index.htm

ウ 各地域の動き

(ア)2020年再生可能エネルギーシェア20%に向けて順調に推移(ヨーロッパ)

EUは2020年までに再生可能エネルギーのシェア20%到達を目標としています。

2005年の時点では再生可能エネルギーのシェアは8.5%でしたが、2009年末時点では10%超となっています。

現在の進展状況からは、2020年までにシェア20%の達成は十分に可能であると見られています。

また、再生可能エネルギー(太陽光発電、小規模水力、太陽熱、バイオエネルギー、海洋エネルギー、地熱、風力エネルギー、集光型太陽熱発電)の部門で活動している欧州の企業や輸出入業者、研究所の組合組織を統括する団体である欧州再生可能エネルギー評議会(EREC)は、2010年4月20日、「RE-thinking2050」とのレポートをまとめています。同レポートは、2050年までに欧州の全エネルギーを再生可能エネルギーで賄うという長期的なビジョンをまとめたものですが、2020年、2030年、2050年と段階的に拡大する再生可能エネルギーのシナリオを描くほか、社会が移行していく過程での経済、環境、社会的な利益を分析し、目標実現に必要な条件を指摘し、実現可能な政策提言も幅広く記述されています。

・参考

「再生可能エネルギー:EUは20%目標の達成に向けて順調に進展」(駐日欧州連合代表部)
http://www.deljpn.ec.europa.eu/modules/media/news/2010/100311b.html

「RE-thinking2050:A 100% Renewable Energy Vision for the European Union」(European Renewable Energy Council, 2010.4.20)
http://www.erec.org/fileadmin/erec_docs/Documents/Publications/ReThinking2050_full%20version_final.pdf

(イ)風力発電を中心として普及(中国)

中国では、人口の増加や、金融危機後の堅調な経済成長を背景に、エネルギーの需要は増大しており、深刻なエネルギー不足問題が発生しています。

従前は、石炭の埋蔵量が豊富であったこともあり、石炭を利用した火力発電が主な電力供給源でしたが、電力需要の増加に対応できず、さらに大気汚染、土壌汚染等の環境問題の発生しているため、クリーンエネルギーの拡大が急務となっている状況です。

2008年実績では、中国の発電シェアの内訳は、火力が約79%、水力が約17%、原子力や再生可能エネルギーが残りの約4%に留まり、石炭を利用した火力発電が圧倒的に大きな比重を占めていました。

しかし、近年では、風力発電を中心とした再生可能エネルギーが普及しています。中国政府は、2006年、再生可能エネルギーの全量買取制度や優遇税制等を規定した「再生可能エネルギー法」を施行し、第11次5ヵ年計画(2006年~2010年)においても、資源節約型、環境友好型の経済構築を目指すとしています。さらに、2010年には、「戦略的新興産業」の一つに、再生可能エネルギーが指定されています。

また、2011年3月に公表された第12次5ヵ年計画(2011年~2015年)においては、省エネ・CO2排出削減の推進、環境に配慮した成長が重点項目に挙げられ、CO2削減目標と非化石エネルギーの利用増加目標も定められています。

このように、中国では再生可能エネルギー推進へ力が注がれておりますが、特に風力発電に力点が置かれております。2020年には、5,000MWを超える超巨大風力発電所が甘肃省にオープンするとも発表されており、実現すれば世界最大規模となります。

(ウ)太陽光、風力発電を中心に(インド)

堅調な経済成長が続くインドでは、電力需要の拡大が続く一方で供給が追い付いておらず、ピーク時に電力需要の10%以上が不足するという深刻な電力不足が発生しています。

インド政府は、電力不足に対する対処として、大規模火力発電の計画を進めていますが、一方で、インドは世界第4位のCO2排出国であることから、CO2排出削減も必要とされています。

このような状況下で、インドでは、再生エネルギーに特化した新・再生可能エネルギー省(MNRE)が設置され、特に太陽光発電と風力発電を中心に、再生可能エネルギーの推進が図られています。

(エ)太陽光、地熱発電が伸びる(ASEAN)

ASEAN各国は堅調に経済成長を遂げている一方で、中国やインドと同様に電力不足に陥る事態が散見されるなど、電力供給は不足しています。

このような電力不足の状況と環境への意識の高まりも相まって、ASEAN各国では安定した日照時間を活用した太陽光発電など再生可能エネルギーの中長期的な投資計画が進んでいます。特に、火山国であるインドネシアやフィリピンでは、地熱発電の利用が進んでおり、インドネシアでは電力供給の約6%、フィリピンでは約18%を地熱発電が占めています。

<「再生可能エネルギー 世界の動き」カテゴリー>

  1. 再生可能エネルギーの世界市場の規模は?
  2. どんな国が伸びている?
  3. 今後どうなる?
  4. 世界の普及促進策は?(1)-再エネ先進国による普及促進策-
  5. 世界の普及促進策は?(2)-東南アジアでの再生可能エネルギー普及促進策-

関連していそうな記事: